溜め込まざるを得なかったこと、母が娘に話す。
先日、祖母の納骨を無事に終えた。四十九日の法要が終わった日、二人になったとき思い出したように急にいろいろ話し始めた。他の話から関連して思い出したことだった。
母にとっては姑、嫁ぎ先のことなので、不慣れなことから不可解なことまで相当な経験があったはずだ。よくぞ約45年間も一緒に生活して、これまで生きてきてくれたなあとも思う。
あの時あんな態度、親戚のことで何も共有されずにいた理不尽さ、義弟(私からは叔父)の扱い…などなど堰を切ったように出てきた。これまでも聞いたことがある話だったけれど、生前はそこまではっきりきっぱり言わなかった話が、語気が強くなって噴き出してきたようだった。
溜め込んでいたこと、溜め込まざるを得なかったこと、あったんだと改めて知る。相当な年月を経ていたエピソードもあり、紐解かれることなくずうっととのままわだかまっていたり。話し合って解決できるようなタイプのものはあまりなかったし、立場上質問できるとか、提言できるといったものでもなかったし。
そうやって長年耐え忍んできた母に感謝。
祖母もおそらく言えない、説明できない理由があったのだろう。
秘密を墓場まで持っていく、語られることなく消えていく謎・不可解とは、こういうのも多分に含むんだろう。納骨をしながら、あの入れ物の中には骨のほかにもそいういう不可解なことが絡まっていたんだろうな、と今更ながら思う。